キャッシュフロー経営

~顧問先事例~黒字なのに、キャッシュが増えないのはなぜ?

~顧問先事例~黒字なのに、キャッシュが増えないのはなぜ?

経営者の不安を安心に変えるマネジメントパートナーの谷頭大輔です。

今回は、顧問先企業様の事例を紹介します。

3期連続黒字なのに、キャッシュが増えないのはなぜ?

特殊塗装製造業のA社は、同業他社よりも圧倒的に高い技術力と品質が特徴です。

創業40年、現在は2代目社長が事業承継をされています。

A社とのご縁は、約3年前。就業規則の見直しがきっかけでしたが、財務面のお悩みもあるとのことで、コンサルティング顧問をさせて頂く事になりました。

最初に確認したのは、過去3期分の決算書を基にした財務分析とお金の流れのチェックです。

お金のブロックパズルを使用し、まずは、A社の利益と資金の見える化を行いました。

お金のブロックパズルについては、私が所属している日本キャッシュフローコーチ協会のこちらの記事をご参照ください。

https://jcfca.com/media/kiziitiran/692.html

3期連続で経常利益率10%強の優良企業のA社。ですが、利益に比例してキャッシュがほとんど増えていません。

分析をすると大きな要因は2つありました。

①複数の銀行から借入があり、その返済額が資金繰りを圧迫していたこと。

②節税対策で、積立型の生命保険に多数加入していたこと。

 

過去1年の利益と資金の流れを「キャッシュフロー計画表」で見える化すると、一目瞭然でした。

そして、社長にお金のブロックパズルとキャッシュフロー計画表を基に会社の利益構造と一年間のキャッシュの流れを確認して頂くと、次のような嬉しいお言葉を頂きました。

 

「今まで、税理士先生に毎月試算表を作成してもらってチェックしてきたけど、実はよくわかっていなかった。こうやってお金の流れを一枚の表で見える化して頂くと、とてもわかりやすいですね。社長に就任してからこの3年間、とにかく売上を上げて利益を出すことを意識してきたけど、なんでキャッシュが増えないのか悩んでいた。もっと早く谷頭さんと出会いたかったよ(笑)」

未来のお金の流れを見える化すると何が起こるか?

社長の嬉しいお言葉に、さらにやる気が漲ってきた私(^^)

早速、向こう一年間の利益と資金の流れを明確化するために、次は未来(今後1年間)のキャッシュフロー計画表作成に着手しました。

毎月月次決算をする仕組みができている優良会社のA社なので、サクサクと進み、どうすれば利益を出しながら、手持ちキャッシュを増やしていけるか、社長と2人3脚で考えていきました。

そして、第一に銀行借入対策をすることにしました。

第一弾としては、①銀行から複数本借りている借入の一本化②返済期限を5年から7年に延長を各銀行の支店長に交渉してもらい、見事成功。

結果として年間の借入返済額を約600万円程度削減しながら、手持ちキャッシュを倍増することができました。

手持ちキャッシュが増えると、社長の経営の意思決定が変わります。

A社社長もお金に対する不安が無くなったことで、積極的な打ち手が思いついていきます。

A社社長とのやり取りの中で、お金の見える化とキャッシュフロー経営が中小小規模企業にとって有益で重要であるかを改めて認識させて頂きました。

今回は、黒字なのにキャッシュが増えないのはなぜ?について顧問先企業様事例をお伝えしました。

お読み頂きありがとうございました。

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